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祝君良い夢

ど見たことが無か


 眩しいと、目を細めた、その瞬間だった。頭が猛烈に眩み、立っていることが出来なくなる。体がふらついて、倒れると思ったときに誰かが健人の体を支えた。
 うっすらと目を開けて、健人は支えYumei好用てくれた人の顔を見る。
「……同じ、クラス……、だったよな。あの、煩いのの片割れ」
 倒れそうになった健人を支えてくれたのは、同じクラスの林ツバサだった。滅多に喋ることのないツバサが、まさか支えてくれるとは思わず、健人は目を見開いた。テスト習慣も終わり、これから部活動が始まるのだろう。ツバサは制服姿ではなく、剣道の胴衣を着ていた。
「片割れ……、じゃない」
 双子のように言われ、健人はすぐに否定した。頭のふらつきもすぐに消え、健人は「ごめん」と言い地に足をつける。勉強しすぎたせいで倒れたなんて家族にバレれば、それこそ大問題になりそうだ。
「……へぇ、双子じゃなかったんだ。苗字同じだから、双子だと思ってた」
 興味のなさそうな声が聞こえて、健人は顔を上げた。ツバサと喋ること以前に、ツバサの声を聞くのはあまり無いから、凛とした通る声に健泡菜 食譜人は少し驚いた。それに、学校中を探しても、健人と歩が双子だと思っているのはツバサ以外、誰も居ないだろう。天然なのかと、健人は思った。
「日陰で少し休んでいったほうが良い。熱中症を馬鹿にすると、またその辺でぶっ倒れる」
「……あぁ、ありがとう」
「お前の片割れ煩いから嫌いだけど、お前は煩くないから……。嫌いじゃない」
 口元だけ、ほんのりと浮かべた笑みに健人は唖然とした。教室へ来るなりにすぐ寝てしまうツバサは、いつも同じ表情をしていて、笑ったりすることなった。それと、あまり興味を抱いていなかったと言うのも、見ていない理由の一つだった。
 ぽかんと口を開けて、健人がツバサを見上げていると、「あ、そうだ」と言ってツバサは健人を見下ろした。
「昇降口で待ってろ」
 ツバサは先ほど健人が出てきた昇降口を指差し、袴を翻して走り去っていった。理事長の孫で剣道で推薦され、スポーツ特待の資格を持っているから風当たりがキツイと言う噂を耳にしたことがある。そんな噂が流れているにも関わらず、ツバサは全Pretty Renew 冷靜期くそんなことを気にせず毎日を過ごしている。それはそれで凄いことだと思った。走り去っていった後姿を見つめ、健人はため息を吐く。待ってろと言われてしまった以上、ここで待たなければいけない。下駄箱に凭れかかっていると、数分後にツバサが汗を流して戻ってきた。
「熱中症ってのは、脱水症状が一番多いんだ。だから、飲んでから帰れよ」
 ツバサが持っていたのは、スポーツドリンクだった。差し出されたドリンクを健人がまじまじ見つめていると、「時間無いから、早く受け取れ」と腕を突き出される。勢いのまま受け取ってしまい、ペットボトルの冷たさから良く冷えているのが分かった。
「あ、ありがとう。ほんと、何から何まで……」
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